はじめてのCV

どうも御無沙汰しております。
9月からアメリカでポスドクとして働くことになり、
しばらくブログを休止していました。が、ようやく、家にネットがつながり、
身の回りが落ち着き始めたのでブログを「Tanakkyの研究室ライフ」から
「Tanakkyの留学ライフ」に変えて、再開しようと思います。
今までと同様に、日ごろの愚痴やくだらない生活だけでなく、
留学での体験等も述べていきたいと思います。

さて再開第一回として、「留学」までの経緯を述べたいと思います。
さかのぼること去年の9−10月、D論発表に向け準備を始めた頃、
私の博士取得後のポジションを探していました。
ある日ボスと相談しているとふと
「この際だから、海外とか見てみたら。。。」
と言われました。海外はもちろんあこがれでもあったし、
機会があれば行きたいと思っていましたが、やるとしても
日本でもう少し業績を積んでからかなっと考えていたので、
この言葉を聞いた時はちょっと迷いました。
ただ当時、別にアプライしていたところが落ちてしまって、
またゼロからのスタートだからという気持ちで海外の求人を探し始めました。
まず今まで読んだ論文の中で特に気が引かれた論文のラストオーサーの
研究室HPを見て、求人情報がないか見てみてみると意外や意外、
だいたいのラボに求人情報が載っていました。そこでその内のいくつかの
ラボとコンタクトを取ってみることにしました。
ポスドクの応募には通常、カバーレター(メールに書けば十分)、
CV(履歴書)そして3通以上のリファレンス(推薦状)が必要とされます。
カバーレターには自分は今までどんなことにやってきて、あなたのラボに
いけば(そのラボの研究テーマとあわせれば)こんなことができんだ
ということを書きます。
次にCVは、自分の名前・住所、学歴・職歴、業績そしてスキル(TOEFL等)を
書きます。私の場合、コンピューターサイエンスをやっていたので、
使用できるプログラミング言語UNIXシステムの操作ができる旨を書きました。
推薦書はPIの先生方に書いてもらいます。ひとつは当時のボス、
そして残り二つは共同研究でお世話になった先生方に頼みました。
とはいうものの英語のカバーレターやCVなどこれまで書いたことなど
一度もなかった。それ用の書籍もあるようだが、
私はさまざまなインターネットのサイトを見て、調べました。
”CV example”とかで検索するといろいろサンプルが載っていたりして、
それらから書く上での注意点等を学びました。例えば、CVはどんなに大きくても
1ページ(業績が多い場合は2ページ)に納める方がいいらしい。簡単に言えば、
一目でわかるようにしなさいということです。またアメリカの場合、
人種差別の観点から、写真・性別・国籍等は書かない方がいいとされて
(性別や国籍で採用したと思われるから)いるので、これらを省略すると
だいたい1ページで十分でした。またカバーレターはより具体的に書くこと。
そのラボのどんな研究(論文名等をあげた方がいい?)に興味を持ったのか、
ちゃんと相手先の論文を数報読んで書きました。そして準備が整って
いざメールを送ってみると、2週間たっても返事がない。。。
1週間後にもう一度メールを送ってみましたが、まったくの返事がない。
不安になっていろいろ調べてみると、これはよくあるパターンのようでした。
研究室のHPに載っている求人は、必ずしも正式なものではなく、グラントが
取れた時にメールが来ればいいなくらいのものらしいです。また有名研究室とも
なると世界中から一日に何十通、何百通とアプライのメールが来るので
大した業績もない人や興味のある研究テーマでない人はほとんど相手に
されないようです。なにはともあれ、世界の研究者からみた自分の今の
価値のようなものを見られたようで、結構落ち込みました。
でもいざカバーレター等を書き始めると海外に行ってみたい気持ちも強くなり、
気を取り直し、今度は「Naturejobs」に正式に求人を出している研究室を
調べてみました。自分の興味のある研究分野はアメリカが断然リードしている
分野であったため、「USA」、「pos-doc」、「“自分の研究分野”」等を
キーワードに検索をかけ、ヒットしたふたつの研究室に今度はコンタクトを
とってみました。
「何度も何度も書いてもらって申し訳ございません」と推薦状を書いてもらった
先生方に頼むのがつらかったが、先生方も
「こういうのは何十通も出すものだから」
といっていただいたので、少し気が楽になりました。
そして今度はメールを出した二つの研究室から、
Skype」で話しようという返事をいただけました。
ようやく留学への日差しが見えてきたのでした。