はじめての公共サービス

以前も話したと思うが、私の住むアパートではガス代が家賃に入っている。
そのためガス会社に一々申し込む必要がないが、電気代は別である。
一応入居当時から電気は使えたが(前入居者の名義のまま?)、ちゃんと
名義変更を伝える必要があった。ただここで大きな難関が待ち受けていた。
電気等公共サービスを申し込む方法は、
「電話」
なのである。メールは受け付けていなし、オンライン申請等もない。
電話だけなのである。しかもノイズの多い自動音声付と来たものだから、
これはもう辛い。かといってしないわけにもいかないので、当時
携帯電話を持っていなかった私は大学から、Gmailで電気会社に
電話した。だがやはり自動音声が何を言っているのかほとんど理解
できなかった。。。なんとなく聞こえた”Other”と言われた番号を
押していくと、うまいことオペレータにつながった(^o^)v
電気サービスを開始したい旨を伝えると、
「今はアイリーンによる緊急電話しか受け付けていません。」
と言われた。アイリーンとはアメリカに到着したときに迫っていた
ハリケーンのことである。ニューヘイブンのダウンタウン地区は
それほど被害がなかったようだが、郊外の方では多くの世帯で停電して
いたようだ。そのため、9月に入って数日間は停電に関することしか
受け付けないとのことだった。うーむ。。。
停電が一週間ほど続いた世帯もあると聞いたので、文句を言っても
しょうがないので、緊急電話以外の要件も受け付けを開始する一週間後に
もう一度電話をした。すると以前かけた時と自動音声の内容が変わって
いた。後々考えてわかったのだが、初めにかけた時は緊急用自動音声、
そして今度かけた時は普段の自動音声になっていたのだ。とはいっても
かけなおした当時は何を言っているのかわからなかったが。。。
よくわからず適当に番号を押していくと、
「オペレータが他の人と話しているのでお待ちください。」的な
音声が流れた。私は律義に待っていたのだが、ふと「4時間」というのが
聞こえた。さすがに英語の聞き取れなかった私でもこれが「4時間待て」
ということだというのはすぐにわかった。まだハリケーンの被害から
回復していない時期。緊急電話以外のサービスが復活したと言っても
まだまだ復旧作業で忙しいのであった。結局この日も申し込むことが
できなかった。その後、1日起きくらいに数回電話をかけたのだが、
全くオペレータと会話することができなかった。しかし何度も電話した
甲斐があったのか、しだいに自動音声の言っている内容も理解できてきた。
そして初めは「4時間待て」だったのが「12分待て」にかわり、9月に入って
二週間ほどたった頃、ようやくオペレータとつながった。ちなみに
この頃には携帯電話も手に入れ、Gmailでの電話は卒業していた。
再び電気サービスを開始したい旨を伝えると、名前、住所、電話番号等を
聞かれた。自分の名前を伝えると何かよくわからない英語で質問をされた。
「pardon?」
と聞きなおしてもわからない。自分の要件が伝わってなかったのか、
住所がよくわかっていなかったのか、もう一度サービスを開始したい旨を
伝えると、
「I know!!!」
ともうわかっているよ、と言われるだけであった。いったい何を聞いて
いるのか検討がつかなかったが、ようやくわかった。私の名前のスペルを
聞いているのだと。そこで自分の名前のスペルを言うと
「OK!!!」
と言われ、ちゃんと電気サービスの申し込みに成功した。ただこの
電気申請に費やした労力と精神的疲労はかなりのものであったのは
言うまでもない。