はじめての携帯電話

こちらに来て日本とは違うなーと思ったのが、公共サービスにしろ、
大学内の事務連絡にしろほとんどが電話なのである。アメリカに来て
経験した電話での数々の失敗からある種の「電話恐怖症」状態にあった
私ではあったが、これがまた多くの申請や登録に「電話番号」が要求される
のだ。そこで携帯電話を申し込むことにした。アメリカではソーシャル
セキュリティー番号(SNN)というものがあり、これは社会保障や納税の
ための番号になっている。携帯電話申請や銀行口座開設にはこの番号が
必要とされているが、渡米して3週間から1カ月までは外国人はこのSSNを
取得することができない。ではそれまでは電話なしかと言うとそうではなく、
多額のdepositを預けることで申請ができることが多い。とは言ったものの、
来て間もない頃給料もまだもらっておらず、生活セットアップにお金を
費やす必要がある時に、このdepositはつらい。でもさすがに大学の街
ニューヘイブン。一部の携帯会社や銀行ではSSNなしでもdepositなしで
申し込める用、大学側が契約してくれているそうだ。そこでdepositの
必要のない携帯屋に行ってみると、なんとも店員の対応が悪い。英語が
聞き取れないという点もあるが、なんというか客として相手にされていない
感じがした。数件周ったがちゃんと相手してくれるところもあった。
「Yaleの学生だと、みんなこのプランだよ。」とか、携帯の機種を詳しく
教えてくれるところもあったが、ちょっと料金が高かった。
結局、日本のアメリカ向け携帯電話サービス「KDDIモバイル」を選んだ。
地元のものを選ばないのは多少逃げという感じもしたが、電話という
アメリカ社会で重要なものということや、料金がこちらの携帯会社に比べ
意外に安かったのと、無料通話内に国際電話が入っていたこと
(無料通話を超えると国際料金が発生する)などからここに選んだ。
申請もオンラインで可能で、4,5日ほどでFedexにて届くとのことだった。
ようやく電話を手に入れられると安心したのもつかの間、新たな問題が
発生。このFedexを受け取るには本人またはadultのサインが必要なのだ。
本人がいない場合はそのまま持ち帰られ、3回失敗すると送り主に
戻されるそうだ。しかも荷物が届けられる時間は指定できず、平日しか
送らないとのこと(サービスによっては可能らしいが。。。)。
平日ラボにいる私にとってどうやって受け取ればいいのか。
実際、2回届けに来たそうなのだが受け取ることができなかった。
そしてラストチャンスの3回目。ネットでトラッキング番号を入力すると、
配達が何時頃だったのか確認ができるので、前2回で届けに来た時刻
15時‐16時の間、一度家に戻ることにした。早く研究に集中したい私に
とってこれはかなりのフラストレーションであった。いざ家に戻ると、
私の郵便受けの上に小さな段ボールが置いてあった。同じアパートの住人が
代わりにサインをしてくれたようだ。なんとか携帯を手に入れ一安心した
のだが、もしこの3回目も失敗していたら、このまま日本に送り返され、
何日間も携帯を手に入れられない日々が続いていたことを考えると、
ぞっとする。